第八章・8 -魔龍公-
2026-06-09
アビス、と呼ばれる世界がある。 深淵という名を冠するその世界には、その名以外に、何もなかった。 広がる一面の荒野は、その全てが悉く、焦土と化している。 生けるものの気配は殆どなく、ただ生物としての仕組みを超越した強 […]
第八章・7 -竜との野営-
2026-06-09
思い返せば、空を飛ぶのは人生で二度目だな、などと、ふと思う。 一度目は、そう。南方は密林の奥にて、妖精族の長に招かれ妖精の里に向かう時に、フェアリーと共に風に乗って。 あの時に全身で感じた浮遊感は、きっとこの先何年 […]
第八章・6 -ゲッシアの地-
2026-06-09
夜間に起きた、もはや幾度目かも定かではない妖魔の急襲を辛くも退けた、明け方のロアーヌ南東、対四魔貴族軍のロアーヌ軍防衛線最前線。 未だ戦火の収まる気配が全くないこの戦線に駐屯するロアーヌ侯国騎士団は、その朝、戦場に […]
第八章・5 -夢語りのシェヘラザーデ-
2026-06-09
松明の明かりを頼りに長い階段状の岩肌を慎重に降りていった先には、自然の洞窟とは思えぬ程、いかにも不自然に何者かによって踏み整えられたような平らな足場が広がっていた。そしてその足場に立つと同時に、酷く焼けつくように肌 […]
第八章・4 -駆け落ち?-
2026-06-09
「カタリナさん、あそこに洞窟の入り口らしきものが見えます・・・!」 頭髪と思しき部分が無数の蛇で構成された悍しい半人半妖の姿の魔物を斬り捨てたカタリナは、慣れない高所での連続戦闘に息を切らせながらフェアリーの言葉に […]
