世界最大の王国メッサーナ、その首都ピドナ。 現在発行されている世界地図のほぼ中央に位置し、四つの内海への流通の要となるこの世界最大の都市には、静かな夜というものが訪れることは殆どない。 よくよく不夜城にも喩えられる […]
トリオール海から運ばれてくる微かな潮風に木々が揺らめく、長閑な午後。 大都市リブロフを中心に栄えるトゥイク半島の、人通りの多いメイン街道から少し離れた、小さな宿場町。その街の、とある宿に設けられた厨房に、旅の者と思 […]
今日の西太洋は、実に平和そのものであった。 空は青く晴れ渡り、海上を吹き抜ける風も穏やかそのもの。四方見渡す限りが海ばかりという景色には少々飽き飽きしてきた頃合いではあるが、まだ暫くはこのままの予定だ。 その日、愛用の […]
「はぁ・・・」 それは、ロアーヌ地方に冬の合間の安らかなひと時を齎す暖かな陽光が差し込む、実に朗らかな昼下がりのことだった。 その日差しに似つかわしくなく随分と物憂げな溜息を吐いたロアーヌの華たるモニカの様子に、窓 […]
しんしんと雪の降り積もる雪原は踏みしめられた足跡を即座に白く上塗りしていき、重苦しく灰色に染め上げられた空からは今が日中だとは思えぬほどに、ちっとも光が漏れてこない。 ロアーヌ北方の関所を抜けてから数日。 本行軍演 […]