傭兵の日常と、少女の非日常
2026-06-10
ふと、自分の隣で今日も欠伸を一つ噛み殺しながら歩いている男をちらりと盗み見て、あたしもつられて欠伸をした。 北の地では特に目立つ褐色の肌と、見た目からして寒そうな砂漠の民の装束。そしてシワだらけの衣服からは想像出来 […]
無くしていた男と、無くした女
2026-06-10
ゴドウィンの変、なんて呼ばれ方をしているらしい先日のロアーヌでの事件は、多分、あたしの人生を大きく変えたんだろう。 なにせ、生まれてから今までの二十年を開拓地シノンから殆ど出たことなんてなかったあたしが、あの事件か […]
王者の言葉と武人の誇り
2026-06-10
侯爵フランツの怒り様といったら長年共にロアーヌを支えてきた側近や近衛の将軍、政務官等ですら初めて見る程のもので、最早それは誰にも止められない様相だった。 荒々しく玉座から立ち上がりながら怒りも露わに叫ぶフランツによ […]
お転婆令嬢と青年騎士
2026-06-10
「ミューズ様!ミューズ様!」 給仕のマリスンが自分の名前を呼びながら宮廷の庭を右往左往するのを、ミューズは息を殺して身動きをしないように注意しつつ、木の上からにんまりとした表情で眺めていた。 「ミューズ様!ミューズ […]
