お転婆令嬢と青年騎士
2026-06-10
「ミューズ様!ミューズ様!」 給仕のマリスンが自分の名前を呼びながら宮廷の庭を右往左往するのを、ミューズは息を殺して身動きをしないように注意しつつ、木の上からにんまりとした表情で眺めていた。 「ミューズ様!ミューズ […]
第十章・8 -聖王の宿命-
2026-06-10
「あぁ・・・アレックス。懐かしい響きです。えぇ確かに彼は、アレックスでした」 ここではない遥か彼方を見つめるように目を細めて微笑みながら、詩人は時折小さく頷きつつ独り言ちた。 「聖王様は、アレックスという御名だった […]
第十章・7 -魔王の玄室-
2026-06-10
宵闇の国、ポドールイが静寂なる新月の夜(といっても常に暗いので昼夜の区別は曖昧だが)を迎えた頃。 僅かな星明かりに照らされながら、レオニード城の門前へ雪と共に舞い降りた巨竜を前にして、カタリナは心底呆れたような表情 […]
第十章・6 -聖杯を求めて-
2026-06-10
城の地下へと向かうエレンらを見送った後、カタリナは外が見える場所を求め、客間からさらに奥を進んだ。 道案内には好都合とばかりに天体望遠鏡を担いでちゃっかり後をついてくるヨハンネスとともに、程なくして城上部のバルコニ […]
