投稿者: himajin
第一章・3-メッサーナ王国首都へ-
「・・・メッサーナの地・・・か。久しぶりね」 客船を降りて港にたったカタリナは、丘陵状に並ぶ町並みの先にそびえる荘厳なるメッサーナ王宮を望みながらつぶやいた。 世界最大の大国、メッサーナ。 世界地図のほぼ中心に位置
第一章・2-思わぬ再会-
驚きを隠せない城の者たちに急な別れを告げて一人ロアーヌ宮廷を出たカタリナは、ミカエルの言を受けてすぐさまロアーヌを離れた。 町で馬車を借り、彼女が向かうは西の隣町であるミュルス。 ミュルスは西の水平の向こうにメッサ
第一章・1-旅立ち-
それから幾日かがたつ間、カタリナはこれまた事務処理のお手伝いに終始していた。 その日も同じく仕事をこなしていたカタリナは日も落ちたころに、ここ最近にはなかった静かな夜を求めて中庭に下りてきていた。 ここ数日はなれな
第一章 -魔神との邂逅-
あらすじ ゴドウィン男爵の謀反を見事征伐したロアーヌ侯ミカエルと、黒幕たるアビスの魔物を斬り捨てた騎士カタリナ。また単身勇気ある行動を示したモニカ姫と、それに集まった5人の勇士達。彼らの活躍で事件は事なきを得、全ては
序章4-集いし八人-
謁見の間に駆けつけたミカエルとハリードは、扉の中から放たれた赤い閃光に思わず目を覆った。視界が機能しない中で彼らが最初に聞いたのは、グシャッ、という鈍い音だった。謁見の間の中央に響いたそれは、飛び散った肉片が地面に
序章3-アビスとの対峙-
宮廷内の空気が一変したのは、更にあくる日の夕刻頃であった。 普段は気品に包まれた宮廷内が、戦場に漂う殺伐とした空気に包まれる。地下牢にまで聞こえてくる行軍の地響きと高らかな勝ち鬨に、カタリナは自らが動く時が来たこと
序章2-地下牢の元盗賊-
まずカタリナはモニカの替え玉を用意することにした。 とはいえ残念ながら、この城の中にはミカエルの影はいてもモニカの影はいない。なので、仕方なく城仕えの侍女の中から金髪ロングヘアのものをピックアップしてモニカの寝巻き
序章1-忍び寄る悪意-
昼間から崩れ始めた天候は大方の予想通り、夕刻前には天を覆い尽くさんというほどの黒い雷雲が犇き、時折雷光を放つほどになっていた。 とはいえ、霊峰タフターンを南東に臨むこのロアーヌの地は特に死蝕以降は天候の差異が激しい
序章 -プロローグ-
『死蝕』 三百年に一度、死の星が太陽を覆い隠すその時、すべての新しい生命が失われる。人も獣も草花も、魔物でさえも、その運命を逃れることは出来ない だが、ある時一人の赤ん坊が生き残った 死に魅入られ死の定めを負ったその