第七章・4 -アンナ、26歳(結婚しておらず)-
2026-06-09
「あー! アンナさん、久しぶりー!」 薄っすらと雪に覆われた大通りの先にいる女性に向け、エレンは大きく手を振りながら声を上げ、そして足早に駆け寄っていった。 「・・・エレンは、ここに住んでいたのです?」 それが一 […]
第三章・7 -試練を終えて-
2026-06-08
「よう、遅かったな」「うわ、もうそっちは終わってたのかぁ」 ポールとエレンが中央部分の吹き抜けに戻ると、そこにはすっかり寛いだ様子のカタリナとハリードがいた。 石造りの低い柵に腰掛けたカタリナの傍には、仄かに光を放つ兜 […]
第三章・6 -聖王廟の試練-
2026-06-08
ランスは長閑な街であるが、最近は季節を問わずに聖王廟を訪れる人々が絶えない為、三件ほどある宿はどこも大いに賑わっている。 死蝕以降は特に訪れる巡礼者が多いそうで、ここの宿屋と陸送隊は連日大忙しなのだそうだ。 そんな宿の […]
第三章・5 -聖王家との会談-
2026-06-08
殆ど待つことなく案内された二階の書斎に、現聖王家当主であるという初老の男性がいた。オウディウスと名乗ったその人物は、優しげな目尻に淡いアッシュパープルの髪と髭の、ダンディーなおじさんだ。言われてみればどことなく、魔王殿 […]
第三章・4 -聖都での再会-
2026-06-08
カリカリと紙の上にペンを走らせる音だけが絶え間なく場を支配していた空間に、控えめなノックの音が二度響く。 「どうぞ」 それに返事をしながら、トーマスは窓から差し込む西陽に、時間の大体を知る。 部屋に入ってきたのは、此 […]
