第四章・1 -聖王の願い-
2026-06-08
この世界には、『聖王』と人々に語り継がれる一人の青年の願いが溢れていた。 三百年の昔、異世界に君臨する災厄の象徴たる四魔貴族をこの世界からアビスへと追い返したその人は、遠い未来に再度の死蝕が訪れる事を、この時既に感 […]
第三章・10 -ファルスとスタンレーの戦い-
2026-06-08
数千の軍隊が駆けながら敵軍の先鋒部隊に突撃をかける様は、まさに戦場の花形といえる。 大量の砂煙を巻きあげながら歩兵隊と騎馬隊が両軍で当たり乱れる様は、合戦の最も大きな、瞬きの合間の一瞬に煌めく花火だ。 灘らかな丘陵の間 […]
第三章・7 -試練を終えて-
2026-06-08
「よう、遅かったな」「うわ、もうそっちは終わってたのかぁ」 ポールとエレンが中央部分の吹き抜けに戻ると、そこにはすっかり寛いだ様子のカタリナとハリードがいた。 石造りの低い柵に腰掛けたカタリナの傍には、仄かに光を放つ兜 […]
第三章・6 -聖王廟の試練-
2026-06-08
ランスは長閑な街であるが、最近は季節を問わずに聖王廟を訪れる人々が絶えない為、三件ほどある宿はどこも大いに賑わっている。 死蝕以降は特に訪れる巡礼者が多いそうで、ここの宿屋と陸送隊は連日大忙しなのだそうだ。 そんな宿の […]
第三章・5 -聖王家との会談-
2026-06-08
殆ど待つことなく案内された二階の書斎に、現聖王家当主であるという初老の男性がいた。オウディウスと名乗ったその人物は、優しげな目尻に淡いアッシュパープルの髪と髭の、ダンディーなおじさんだ。言われてみればどことなく、魔王殿 […]
