第十章・幕間 -少年の独白-
2026-06-09
ピドナからツヴァイクへと向かう船の後部甲板で少年は一人、荒々しく波打つヨルド海の水面をじっと見つめていた。 「サラ・・・」 呟けど、その声はサラに届くはずはなく、波の合間に消えてゆく。 少年は、まるで自分自身が波 […]
第十章・3 -ロード・ノール-
2026-06-09
「行くのね、カタリナ」 マスカレイドがカタリナの手からミカエルへと返上された、その翌日。 ロアーヌ宮殿を背にして振り返らずに去ろうとしたのも束の間、あっさりとその決意を一旦反故にしたカタリナは、自分を呼ぶその声にく […]
第十章・2 -馬鹿げた選択-
2026-06-09
予定通りミュルスを発った翌日午後にはロアーヌへ入り、久方ぶりのロアーヌ宮廷でどこか落ち着かない一夜を明かした、翌朝。 日の出前のまだ仄暗い時間帯にふと目が覚めてしまったカタリナは、寝巻きの上に一枚羽織っただけのラフ […]
第十章・1 -三百年の平和-
2026-06-09
聖王歴三百十七年、赤火の月。 歴史上二度目となった四魔貴族と人類の戦いはここに決し、世界からアビスの脅威は去った。 この事が世界中に伝わるのに大した時間が掛かることはなく、きっと一ヶ月ほどもすれば世界中が喜びに満ち […]
